2024/10/11 22:49


ハロウィンというのは10月31日に仮装をするお祭り、というイメージがあると思います。
毎年、渋谷では若者が仮装して街を練り歩くイベントとして社会現象となっています。
フラワーショップKALIANg(カリアン)のある六本木でも数年前まではたのしい街を盛り上げるイベントとして行っていました。

ではハロウィンとは何だったのか?
KALIANgのブログでは、数回に分けてハロウィンのテーマをご紹介しています。


本日も、ハロウィンについてのおさらいですが、

・ハロウィンというのはもともと古代ケルト人のお祭り「サウィン祭」だった。
・ハロウィンとなったのはキリスト教が普及してから
・11/1のサウィン祭は収穫のお祭りで10/31はあの世から祖先の魂と共に悪霊がやってくる
・かつてはかぼちゃではなく、カブだった
・スコットランドからアメリカ大陸に渡った移民がカブではなく、かぼちゃを使った
・かぼちゃのお顔「ジャック・オー・ランタン」のジャックは昔話にでてくる「いじわるジャック」だった
ということまでが、前回のお話でした。
そして、ケルト人のお祭り「サウィン祭」がハロウィンとなったわけですが、
そこには、キリスト教の布教と古代の信仰のせめぎあい?というか折り合いをつけた結果があったのです。

Halloweenの語源はなんだったのか?万聖節の由来

 さて、ハロウィンの語源は、キリスト教の万聖節に由来します。
 ちょっと難しいので、簡単に言うと、キリスト教の聖人すべてにお祈りをする日、ということになります。

 万聖節は11月1日に行われる祝祭のことです。
 Hallowは神聖なというのが直訳で、すべての神聖な人の(お祝いをする)前夜祭ということで
 10月31日は「All Hallow's evening」といい、いつしかHollow+eveningがHalloweenとなりました。

 ところが、これはキリスト教の一部の宗派によるものとされ、キリスト教の教義ではないのです。
 そもそも、Halloweenはキリスト教の教義ではなく、古代ケルト人の風習でした。
 それがなぜ、キリスト教の一部の教義に組み込まれたのか!?
 というのが、今回のお話。

 万聖節とは、言い方を変えると「諸聖人の日」ということで、キリスト教に登場する聖人や殉教した名もない聖人に捧ぐ日として、カトリック教会では、重要視されてきました。
 その始まりは4世紀に遡るといわれます。当初は5月の13日に執り行われていましたが、いつしか11月1日となりました。
 この日は日本語では「万聖節」や「諸聖人の日」という言い方をしますが、All Saints'Day もしくはAll Souls'Dayとばれています。All Hallows'Dayはちょっと古い言い方なのでしょうか。


サウィンとハロウィンの融合がおこる 

 サウィン祭とは、第11.Halloweenは海外のお祭り!?みんなで楽しむKALIANgハロウィンのこと抜粋)で、ご紹介した通り、死者というか祖先に敬意を払って祀る日です。
 これが、古代ケルト人の風習として人々の生活の中に残っていました。
 このサウィン祭はもともと夏と冬の切り替わりの時に、あの世から死者がよみがえり、ご先祖さまと収穫を祝う晩餐をするというお祭りでした。
「諸聖人の日」もキリスト教において、布教や教義の上で重要なすでに亡くなってしまった聖人や殉教した人々に対する感謝をする日なので、死者に敬意を払って祀る日としては、なんらおかしくはないわけです。
 ですので、古代ケルト人の風習とキリスト教の祭祀が融合したとも言えます。
 キリスト教の布教の拡大と古代民族の風習の融合はクリスマスにも見られます。これはクリスマスの時期に詳しくご紹介いたします。
 一部ではキリスト教の布教が浸透していく中で、古代から続く信仰が上書きされず、人々の中で根強く残っているので、彼らをキリスト教に取り込む過程の中で折り合いをつけていった、という考察もあります。はじめはキリスト教が民衆の信仰を弾圧していたのですが、やがて弾圧では難しく、融合していったようです。
 古代の信仰は、太陽、月、季節、暦、農作物と切っても切れない習慣の中、行われたことですから、たとえキリスト教が人の道を説いたとしても、生きる・食うなどの生活に根付いた信仰は消し去ることはできませんでした。


アメリカ大陸に渡った信仰が現在のハロウィンへ

ケルト人のそのお祭りがアメリカ大陸に渡ったひとたちによってアメリカへと定着します。
その時に、カブをくりぬいたランタンがかぼちゃに変わりました。
そして、堅苦しい宗教的な意味合いは薄れ、諸聖人に感謝する日とは別に、単に農作物の収穫に感謝する日となり、
古代の信仰をオマージュしながら、お化けや骸骨たちと楽しく過ごす=仮装して過ごす日、いわゆるハロウィンパーティーをすることになりました。
いつしか11月1日の「Hallows' Day」より10月31日の「Hallows'evening」つまり前夜祭の「Halloween」がメインとなり、今では街中でもそして、ディズニーランドでさえ、「Halloween」を楽しむ日となったようです。


アメリカでは秋のお祭りが2つある⁉

日本人としては、今一つなじみの薄い秋のお祭りがあります。
それは、「Thanks Giving Day」です。
日本語に直訳すると「サンクスギビングディ」は「感謝祭」と訳されます。
感謝祭も農作物に感謝する日で祖先と共に収穫を祝う日ですが、生い立ちが異なります。
Halloweenは10月31日におこなわれ、古代ケルトの信仰をベースにしてそこからキリスト教の祭祀にのっとり行われていました。
Thanks Givingは11月の第4木曜日に執り行われていました。

サンクスギビングは、ニューイングランドに入植したイギリス人が、その年の冬を越せないかもしれない、というくらい餓死者を出すなどしたとき、アメリカ原住民がトウモロコシなど地元の作物を提供してくれたため、そのことに感謝して翌年の秋に収穫の祝いをしたというのが始まりだといわれています。
アメリカでは現代でもハロウィンよりサンクスギビングのほうが大々的に行われ、秋のお祭りとして親しまれているようです。

このようにして、ハロウィンをご紹介してきましたが、次回はいよいよアレンジメントやギフトのご紹介をいたします!