2025/02/08 16:01

2月14日は何の日?それはバレンタインデー

 バレンタインデーに花を贈るのは何だか照れくさい様な、気がしないでもない。
 ヨーロッパの文化が全てでなく、別に真似しなくても良いのではないか?
 世界中で恋人の日とされていますが、この日に何故花を贈るのか?
 そんなことについてちょっとお話してみたいと思います。

 おはようございます!こんにちは!こんばんは!Flower Shop KALIANg(カリアン)です。
 本日は、バレンタインデーにまつわるお話です。

 昨今、フラワーバレンタインデーなどと花業界では、必死に需要を作ろうとしています。
 これは皆さん、一般の方は、ご存知でしょうか。
 花業界的には、2月はお花が売れない時期です。
 売れないから、需要を増やそう。
 そういう魂胆なんです。
  理由は簡単、日本以外ではバレンタインに恋人同士が花を贈り合うから。そんな理由なんです。
 日本のバレンタインデーはチョコレートを贈る日。
 皆さんもそう思われているかも知れません。
 そうなるには製菓業界の血の滲む暗闘の末、もしくは共闘の末、2月14日はチョコレートを贈る日となったのです。

 それでは、今回はバレンタインデーについて詳しくお伝えいたしますね。

バレンタインデーは欧米では祝日
 なぜバレンタインデーは欧米では祝日なのか、というところからスタートしてみたいと思います。

 一旦、バレンタインデーのイメージを整理します。
 繰り返しになりますが、日本におけるバレンタインデーは、「女性が愛を告白する日」としてチョコレートにメッセージを添えて、男性に贈る日、として親しまれてきました。

 ところが、欧米では休日なんです。
 キリスト教国(主に、カトリック)では、その日はセント・バレンタイン(聖バレンタイン)という人の行いをたたえる日、とされています。そして、その人を讃えるミサを行うため、お休みなのです。

 バレンタインデーのはじまりは、ハロウィンやクリスマスなどと同じ起源というか考え方のもとに始まったとされています。

 さかのぼる事はるか昔、時はローマ帝国時代。
 古くから人々の信仰を集めたローマ神話があります。
 その中にでてきます。

 ローマ神話には、古事記や日本書紀同様沢山の神様が出てきます。
 建国時の歴史も書かれているとされており、その起源はインドヨーロッパ語族の神話として発展しました。
 さらにギリシャ神話の影響を多大に受けて、神々も同一視されてきます。
 そんなローマ神話ですが、そこに出てくる女神・ユーノがバレンタインデーの発祥なのです。

「女神・ユーノ」
 女神ユーノはローマ神話の主神、ユーピテルの妻です。
 英語ではジューノウ、フランス語ではユーノゥと言われます。
 この神様は女性と結婚、家庭、出産を司り、愛ある神様として有名です。
 暦では6月の神様とされており、6月のJuneはこのユーノが由来です。
 6月に行われる結婚をジューンブライドといいますが、これは結婚を司る神様のご加護がありますように、ということから言われています。
 そのユーノの祝日が2月15日で、2月14日はその祝日のイブ、つまり前夜祭の日です。
 この日はルペルカーリア祭といわれ、豊穣や結婚、出産などを祭る日です。
 ルペルカーリア祭の日は、男女がくじ引きで出会い、お互い祭りの夜を共にし、結婚をするというお祭りでした。
 女神ユーノが引き合わせた縁として結婚するというのが趣旨なのです。

 ちなみに、このユーノの父はサートルヌゥスです。
 この神様は農耕を司る神様で、クリスマスの源流の一つになるサートルヌゥス祭の神様なのです。
 農耕神の娘だからこそ、豊穣の女神となるのです。
ローマ神話のユーノはギリシャ神話のヘーラーと同一視される
Jacques Louis Dubois (French. 1768-1843) - Not provided by the uploader 翻訳, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=31131627による


「バレンタインデーとなるには」
 キリスト教がローマ帝国で浸透してくると、男女の関係も色々見直されてきます。
 男女の出会いにも比較的自由だった古代の風習からすると、キリスト教の教えは非常に厳格なものでした。
 3世紀のローマで、皇帝グラウディウス2世は、兵士の結婚禁止令を発布します。
 それは、遠方で戦う兵士が故郷に愛する人をつまり妻を残してくると、寂しさのあまり戦闘士気が落ちるという理由です。
 おそらく、それを理由に逃げ出す兵士が後を絶たなかったからでしょう。
 当時、北方から別民族やゲルマン人のローマ襲来に際して陣頭指揮をとり、何度も撃破している軍人皇帝でした。
 蛮族の侵入を防ぐため何度も国境まで遠征するクラウディウス2世は、市民には善政を敷き、非常に人気が高かったようです。
 しかしながら、兵士には厳しく苛烈だったため、兵士の逃亡が多かったと考えられます。
 さて、そこで、伝説的なキリスト教の聖人が現れます。
 キリスト教の司教であったウァレンティヌス(以下バレンタイン)が、この結婚禁止の兵士たちを非常に憐れみ教会で結婚式を挙げました。
 何度も違反行為をするバレンタインのことを、グラディウスも処罰をせざるを得なくなります。
 バレンタイン司教はいよいよ処刑されることになりました。
 バレンタイン司教の故事は他にもいくつも残っているのですが、この若い兵士たちと女性が結婚するということについて、「愛をもって若者を守った」ということでの殉教になります。
 時はさらにしばらく経って 、ローマ帝国でも、民間信仰であるローマ神話やその神話に出てくる神様のお祭りについてキリスト教が弾圧することとなります。
 キリスト教の教えは、一神教のためローマ神話のように様々な神様がいる信仰は許されないのです。
 そしてそこに登場する結婚のユーノのお祭りで2月15日に執り行われるルペルカーリア祭については、男女の出会いが風紀が乱れるとして、禁止します。
 そして、バレンタイン司教が処刑された日が、そのお祭りの「イブ」つまり前日の2月14日だったことにちなんでこのお祭りをすり替えます 。このことはクリスマスにも言えることですが、かつてゲルマン民族の信仰を抑制できずに、キリストの降誕祭というちょっと普通に聞いたら説明がつかないようなお祭りにすり替え、クリスマスとして、キリスト教のお祭りとして人々を民間信仰からキリスト教へ誘いました。このキリスト教のお祭りのすり替えという同じことがこの 2月14日と2月15日にも言えます。
 結婚の女神でもある ユーノのお祭りを、皇帝の横暴で出征する兵士が愛する女性と引き裂かれるのを聖バレンタインが救ったという昔話に ちなんで 、2月14日は恋人の日もしくは 愛する人との日、そして 殉教した バレンタイン司教は 聖バレンタインしてキリスト教の聖人の一人に崇められ、ミサを執り行います。
 ですから、この日をバレンタインの日としました。
 そのことから今日までバレンタインの名前が受け継がれることとなります。


「バレンタインな日」
 ということで愛する人との日は恋人の日ということで、 男性から女性に告白する、もしくは、女性から男性に告白するなど、どちらでもいい日だったのですが、この日に男性も女性も贈り物をしました。
 一般的なプレゼントはもちろんのこと、 例えばメッセージカードや ケーキ、チョコレート、そしてお花など、様々なものを愛の告白の日としてプレゼントしました。また、男女に限らず、親しい人にも贈りました。
 そしてこの風習のポイントは プレゼントがメインなわけではなく「愛の告白」ということにが重要なのです。
物に添えて愛を告白するのではなく、愛の告白に物を添えて贈るというのが正しい解釈だと言えます。

 さて、それでは、バレンタインデーにモノを贈るその始まりはどうだったでしょうか。
 歴史に残っているバレンタインデーのギフトは、商業的なところから始まります。
 元々は メッセージをそえた手書きのカードを交換したりしていました。
 1800年代にイギリスのとある印刷所がバレンタインにプレゼントを送り合う男女に向けて、センチメンタルな文を載せたポストカードを発表しました。
 このカードはブック型になっており、そのカードを本から切り取って贈るというものでした。
カードには、今で言う j-pop のバラードのような詩が添えられており、人々の心の琴線に触れるようなものでした。
 これが、イギリスの郵便改革と相まって、はがきを郵便でとどける爆発的なヒットとなりました。
バレンタインデーに贈られるカードの例

 現代にもバレンタインデーにはグリーティングカードやメッセージカードを贈り合うという文化があります。
 さらに1800年代にバレンタインデーにメッセージカードとチョコレートを贈るということが始まりました。
 もともとは イギリスの製菓店がチョコレートをハートの形の箱に入れてバレンタイン向けに贈り物として売り出しました。
 さらにメッセージカードにお花を添えて送ったり、または メッセージとともに宝石やその他の贈答品を贈りました。
 これがバレンタインデーの休日と相まって、人々の中に広がっていきました。


日本におけるバレンタインデー
 日本では 一部のキリスト教の教会などで当、バレンタインのミサを行っていましたが、実際にバレンタインデーに贈り物をするということをしていませんでした。
 現存している文献の中で一番古いのは、当時、神戸にある 「モロゾフ」(皆さんもご存知だと思います)がバレンタインデーにチョコレートを送るということを始めました。
 そしてそれから20年後ぐらいには、東京大田区にあるメリーチョコレートがバレンタインデーキャンペーンをします。
 社長の原邦夫が、大学の時、イギリスからバレンタインデーの様子を耳にします。
 バレンタインデーには若い男女がチョコレートやケーキ 花束、宝石などメッセージを添えて贈り合う風習があるということを。
 そこから社長の原はそれらを早合点し、バレンタインには チョコレートを贈る日だ認識しました。
 そこでさらに現在の日本的なバレンタインデーに発展します。
 バレンタインデーには男女が愛の告白をするという意味がありますが、これを原は「女性だって男性に告白してもいいじゃないか」とい う風にとらえます。保守的な日本の社会性に対し、女性が積極的に男性にアプローチをする日が、年1回あってもいいという思いを乗せて、チョコレートを販売しました。
 それだけでなく、有名百貨店もチョコレートを販売するのに際し、バレンタインデーをチョコレートの売り出し日と定め、広告を打ったり 、取引先のパティスリーにチョコレートを作ってもらい、販売するようになりました。
 さらにその後、輸入雑貨を扱うソニープラザでは 大々的にバレンタインデーの広報活動と販売促進を行います。
 これがバレンタイン普及のきっかけとなったと言われます。
 大人たちにはあまり浸透してなかったのですが、小学生・中学生・高校生の間で爆発的にヒットします。
 バレンタインデーはここから日本において独自の進化を遂げます。
 バレンタインデーにチョコを送った女性にお礼として 1か月後のホワイトデーにお返しを男性から女性に送るという文化になります。
 当然、バレンタインデーの起源を考えると、ホワイトデーというのは不思議すぎるものなのですが、これは日本におけるバレンタインの文化の派生系としてやはり小学生から高校生くらいの間の子供たちの間で普及しました。
 さらに、好きな人に渡す本命チョコにたいして、周りの好きでもない人に贈る義理チョコなるものも日本独自の進化といえます。

本来のバレンタインデーの意味
 やはり、バレンタインの本質を考えるとローマ神話における「結婚と家庭の女神・ユーノ」 のお祭りであるルペルカーリア祭が発祥です。
 最近では、そのルペルカーリア祭の本来の意味である「男女が結ばれる日」にちなんでプロポーズをされる方や愛を告白しお互いに確かめ合う日、として 若者に広がっています。
 ですから、チョコレートを贈るというだけでなく、「愛の告白のメッセージにプレゼントを添えて贈る」という趣旨で、バレンタインを過ごす若者が増えてきました。
 そしてその中に愛の告白とともに花を贈るということも含まれるでしょう。
 愛する人にお花を贈るというのは本来は言葉にならないメッセージを贈る、もしくはメッセージと共に気持ちを贈る、という意味で古来から行われてきた風習です。
浄土寺蔵『源氏物語扇面散屏風』より、「若菜・上」の一場面|折り枝といって和歌に枝もしくは花を添えて贈る

 例えば日本においても、平安時代などは相手を思う気持ちを、五七五七七の和歌にって、季節の花を送るということもありました。
 ですから、相手を思う気持ちとそれに添えて季節の花を贈るというのは、何も ヨーロッパの文化だけではなく日本でも行われていたようです。花を贈るというのは花に意味があり、花の色に感情を表す表現力があるため、だけではありません。
サプライズ感、 姿かたちから視覚的癒し、香りによる嗅覚的心地よさ、 などもあります。
  是非お花を贈ってはいかがですか?
  お花を贈るというのはそんなに難しいことではありません。
もちろん、メッセージカードを添えて贈りましょう。これは本来の意味であるバレンタインデーには愛の告白と何かを贈るということに由来します。
そして、愛の告白だけではなく、日頃の感謝や普段伝えられないことを伝える日でもあります。

愛の告白を真剣に考えている方へ
愛の告白を真剣に考えている方にはカリアンでは特別なお花をご用意しています。
例えば、「バラのブーケ」。バラの花言葉はズバリ「愛」です。
KALIANgでは、バラの贈り物特集をしております。
よろしかったら、そちらもご覧ください。
また、バレンタインデーに贈る花束やアレンジメントのおすすめは、こちらのページもご覧ください。
それではまた次回!宜しくお願い致します。