2024/12/11 23:04

お正月の準備は進んでますか?
 
 おはようございます!こんにちは!こんばんは!
 Flower Shop KALIANg(カリアン)です。

 早いもので、もう年の瀬ですね。
 クリスマスも終わっていないのにもうお正月のお話なんです(笑)

 お花屋さんではクリスマスが終わる前からお正月の準備を始めます。
 市場では、松市・千両市と年の瀬には大市が続きます。 
 松市・千両市とは、お正月の必需品である松や千両だけがセリにかかる日です。
 大体、12月の2週目が松市、3週目が千両市と決まっています。

 昔は松市・千両市は仕入れに気合が入ったものです。

 しかし、現在は予約販売やWEBで商品が購入できるなど、松市・千両市もあまり盛り上がりを見せません。
 さて、お正月はどの国でもなぜ冬なのでしょうか?

 夏ではいけないのか?

 これは古来の人たちが農耕民族として太陽の巡りと共に暮らしていたからと推測されます。

 冬の最も日が長い日が「冬至」です。

 冬至の話をするとこれも長くなってしまいますが、この冬至が関係しているようです。
 冬至はこの日から太陽の長さが長くなります。
 太陽は農耕だけでなく人間をふくめ生きとし生けるものすべてに多大な恩恵を与えています。
 これが冬至から日が長くなっていき、夏至に一番長くなります。
 つまり、この冬至は太陽の恩恵を受けるという意味では、特別な日なのです。

 
 ちょっと簡単に暦の話をします。
 日本は途中から中国の暦を輸入して太陰暦つまり月の巡りを暦にします。
 しかし、月と太陽では少しずれているため、日が余って季節がちょっとずつずれてしまいます。
 それを閏という考え方で調整していました。
 さらに西洋の暦に替えて太陽暦としたのが明治期です。
 以後日本では太陽暦を使っています。
 しかし、昔の農耕の暦である太陰暦は、旧暦としてまだまだ暮らしの中に浸透しています。

 暦の話はこれくらいにして、お正月の話に戻しましょう。

 お正月は暦が大晦日から新年に切り替わる日つまり元旦です。
 このお正月の風習についてはまた別の機会にしますが、お正月は歳神さまがやってくる日なのです。
 
歳神様のやってくる日
 
 お正月は、初詣に行って、おせち料理を食べて、駅伝やラグビー、サッカーを見て、ゴロゴロする日と思っていませんか?
 駅伝やスポーツはあまり関係ないのですが、初詣に行って、おせち料理を食べることは、じつは意味のあることなのです。
 おせち料理は歳神様をお迎えするためのごちそうであり、その相伴にあずかるというのが本来の意味なのです。
 なんだか大晦日を過ぎて新年になると気持ちが改まるのは古来の日本の風習によるものだとされています。
 さて、このお正月ですが、日本には昔から歳神様がやって来るといわれています。
 歳神様は空のかなたからやってくる来訪神です。
 ちゃんと古事記にも載っています。

 『日本神話では、『古事記』において須佐之男命と神大市比売(かむおおいちひめ・大山津見神の娘)の間に生まれた大年神(おおとしのかみ)としている。両神の間の子にはほかに宇迦之御魂神がおり、これも穀物神である。』参考:Wikipedia「年神」

 民俗学者の柳田國男は、一年を守護する神、農作を守護する田の神、家を守護する祖霊の3つを一つの神として信仰した素朴な民間神が年神であるとしています。
 また兄弟神の宇迦之御魂神も穀物の神様です。
 この大年神(歳神)さまが、それぞれのお家にやってきて一年の五穀豊穣・商売繁盛・家内安全・無病息災をもたらすといわれています。

 そして、この年神様なのですが、いつお家にやってくるかというと、大晦日の夜といわれています。
 ですから、神様をお迎えするのには準備をきちんとしないといけないといわれています。
 そこから12月31日の「一夜飾りはよくない」という風習になったといわれています。

 また語呂合わせから12月29日も良くない日「29」が苦しいや憎いなどに繋がるからともいわれています。

 そして、歳神様は松のうちが過ぎたころに、どんと焼きやお焚き上げなどの行事でまたお空に帰っていくといわれます。
 その時に、松やしめ縄も一緒に燃やして煙と共にお空にお送りします。

 

歳神様のお迎えする準備ですが、皆さんは何をしてますか?

 一般的には、門松、しめ縄、お餅、おせちなどですね。
門松とともにある歳神様

 松は歳神様の依代(よりしろ)つまり目印なのです。
 歳神様は青々としたすがすがしい松を目印にやってきます。
 門松はその歳神様にお家に入り口がわかるように立てます。
 しめ縄は歳神様の居る場所を示すいわば結界のようなものです。
 この先に神様がいますよ、という神域を表します。
 ですからお家の入口にお正月のしめ縄飾りを飾るのはお家に神様をお招きするからなのです。
 松は各お部屋に飾ります。
 そうすると松のある場所に順番に神様が訪れます。

 また台所の神棚があるお宅は別途、荒神様という神様をお迎えします。

 

 お餅やおせちは歳神様への捧げものです。 
 特にお餅は歳神様がお空にお帰りになった後に我々が鏡開きと称していただくのです。
 こうやって年が新たになっていきます。

 

 KALIANgでは、松、若松・門松・小松など様々な松を取り扱っています。
 また、お正月飾りは、一つ一つ丁寧に作っております。この歳神様をお迎えするのにふさわしい伝統的な素材を使って現代風にアレンジしたものです。