2024/08/26 07:00
菊の節句は長寿の節句、秋はおいしいものを食べ、長寿を願う季節です
紅葉の秋、文化の秋、食の秋
知らず知らずのうちに日本人に組み込まれたDNA。
秋を楽しむという日本の伝統をKALIANgなりに皆様にお届けいたします。
重陽の節句とは
突然ですが9月9日は重陽の節句です。
節句と言えば、桃の節句や端午の節句などを思い起こす方もいらっしゃるかもしれません。
これは平安時代ごろに中国から伝わった暦の考え方の一つです。
その節句が五つあり、五節句と言います。そして重陽の節句も五節句の一つで9月9日に行われる年中行事です。
五節句とは、1月7日の人日の節句(七草の節句)、3月3日の上巳の節句(桃の節句)、5月5日の端午の節句(菖蒲の節句)、7月7日の七
夕の節句(笹竹の節句)、9月9日の重陽の節句(菊の節句)を指します。
重陽の節句の重陽について
重陽とは、古来中国では奇数が良い数字とされておりました。その奇数の最大数である9というのが一番良い数字と言われております。その陽数が重なっている日、ということで「重陽」と呼ばれるようになりました。
写真はスタンダードマム(ディスバッドマム)「ヘッジホッグ」
そのころ、ちょうど開花期を迎える菊は「仙境に咲く霊薬」として、邪気を払い長寿になると信じられてきました。そのことから、重陽の節句を別名「菊の節句」と呼び、無病息災と長寿を願う日としても親しまれるようになりました。
日本では平安時代に宮中行事となり「観菊の宴」などが行われるようになり、菊の香りで邪気を払うということが多くの人に信じられるようになりました。
そこで菊にまつわる様々なことを催しました。菊を飾ることはもちろんのこと、菊の花を持ち寄って鑑賞する「菊合わせ」。9月8日夜に綿を菊にかぶせて、9月9日の朝、菊の花の夜露がしみ込んだ綿で身体を拭いて無病息災をねがう「菊の着せ綿」。蒸した菊の花を日本酒につけて香を楽しむもしくは冷酒に菊の花びらを浮かべて香りを楽しむ「菊酒」。湯船に菊の花や花びらを浮かべで香りに包まれる「菊湯」。蒸した菊の花をまぜて楽しむ「菊ご飯」。乾燥させた菊の花びらで作った「菊枕」。それらを菊の節句に合わせて準備をし、楽しみます。
菊の節句に飲むと長寿と無病息災となると言われた「菊酒」オールドノリタケのお銚子とお猪口
実は本当に効能があった菊
菊には「香りがあり邪気を払う」や「無病息災をねがう」といことがいわば迷信的にいわれていますが、科学的に根拠があったのです。菊の花にはビタミン類が多く含まれております。栄養価が高く、ビタミンの働きにより、病気予防の効果があるのです。
例えば、最も多く含まれるビタミンCやビタミンEは抗酸化作用があります。ビタミンBや葉酸は正常な赤血球の生成やDNAやRNAなどのたんぱく質の生成に有効だと言われています。
また、ビタミンB1やビタミンE、アミノ酸は美肌効果にもすぐれており、特に菊花茶は吹き出物を抑える効果が期待できると言われています。
そして、古来中国より伝わった漢方では、菊の花は解毒作用や解熱作用があるといわれ、現代でも漢方薬にふくまれております。その解熱や解毒に関してもポリフェノール分が多く含まれているためと言われています。
お花屋さんで買った菊は生産の過程で食用とはされていない為、もし菊をお酒などで楽しみたい場合は、食用をご使用ください。食用菊は新潟県が特産品で、とくに色鮮やかなピンク紫系の「かきのもと」が人気です。実際に「かきのもと」を生産する新潟県の生産組合では上記の効能のエビデンスを取得しており、マウスや人間に及ぼす影響にも言及しています。(参考:https://www.city.niigata.lg.jp/business/shoku_hana/shokutohana/niigatanosyokutohana/syuruibetsu/vegetables/kakinomoto.files/kakinomoto.pdf)
迷信ではなかった菊の効能も現代では証明されています。
その為に、長寿を願うという菊の節句と言われてきました。秋がなぜ「長寿を願い、祝う季節なのか」次回のコラムで敬老の日もとりあげますので、お楽しみに!
そんなことはどうであれ、ぜひ「菊を楽しむ日」9月9日重陽の節句を素敵にお過ごしください。
さて、秋は季節の行事が目白押しです。
2024年秋のイベント
9月9日(月) 重陽の節句
9月16日(月・祝) 敬老の日
9月17日(火) 中秋の名月
9月20日(金)~26日(木)秋のお彼岸
(9月23日(月)秋分の日でお彼岸のお中日)
フラワーショップKALIANg(カリアン)では、秋のスペシャル企画を続々とご用意しております。特に今年は重陽の節句・敬老の日にオススメのギフトを新たに皆様にご紹介します!そちらの商品につきましては、こちらをご覧ください
重陽の節句にオススメの菊の花のご紹介
菊は英語で言うとクリサンセマム(chrysanthemum)略して「マム」と言います。
日本では秋の花ですが、オーストラリアでは菊の「マム」と母の「MUM」を掛けて母の日の花として花贈りに使います。
ヨーロッパでは一般的な花であり、アメリカのニューヨークなどではオリエンタルな花として大変人気です。
ディスバッドマム「ボーク」
ディスバッドマム「ロサーノダークシャルロット」
スプレーマム「スーパーボール」
スプレーマム「ファイヤーボール」
マムに似合うオススメの秋の花
タンジー
ヘレニウム
ワレモコウ
それではみなさま、また次回もよろしくお願いいたします。